はじめに
前回の記事では「予実管理とは何か」「なぜ必要か」「基本的な進め方」について解説しました。
👉 今回はさらに一歩踏み込み、実務でどうデータをまとめれば予実管理がスムーズに回るのかを紹介します。
本記事の対象読者
- 予実管理を始めたいが「数字をどう整理すればいいのか」分からない方
- Excelやスプレッドシートを使って自分で仕組みを作りたい方
- 将来的にツール導入を検討しているが、まずは小さく始めたい方
初心者でも迷わず進められるよう、ステップ形式で解説します。
目次
1. 予実管理でデータをまとめる目的
予実管理のゴールは「数字を整理すること」ではなく、意思決定に使えるデータを作ることです。
そのために必要なのは次の3点です。
- どの数字を管理するのかを明確にする
- 毎回同じルールで集計する
- 誰が見ても理解できる形で可視化する
2. データを整理する前に決めておくこと
いきなりExcelを開くのはおすすめできません。まず次の準備をしておきましょう。
(1) 管理する項目
売上だけでなく、利益・原価・固定費も含めましょう。
👉 初心者は「売上高・粗利・営業利益」から始めるのが現実的です。
(2) 集計の粒度
- 月次(標準的な単位)
- 週次(スピード重視)
- 四半期(大規模プロジェクトに有効)
(3) 比較の基準
- 前年同期比
- 前月比
- 予算比(目標達成率)
3. データのまとめ方|基本フロー
予実データを整理する流れはシンプルです。
- 実績データを集める(会計システムや売上管理から抽出)
- 予算データと同じ形式に整える(項目・単位を揃える)
- 差異を計算する(予算-実績)
- 達成率を算出する(実績÷予算)
- コメント・仮説を残す(例:「広告費増加が要因」など)
👉 ポイントは、数字だけでなく「理由」を残すことです。数字の羅列では改善につながりません。
4. Excelで作る予実管理表の実例
基本フォーマット(シンプル版)
| 項目 | 予算 | 実績 | 差異 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,000,000 | 9,200,000 | ▲800,000 | 92% |
| 粗利 | 4,000,000 | 3,500,000 | ▲500,000 | 88% |
| 営業利益 | 1,500,000 | 1,200,000 | ▲300,000 | 80% |
👉 重要なのは「差異と達成率」をすぐ確認できることです。
コメント欄を追加した例
| 項目 | 差異 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ▲800,000 | 新規顧客獲得が未達。展示会リードが想定の半分 |
| 粗利 | ▲500,000 | 値引き対応が増え、利益率が低下 |
| 販管費 | +200,000 | 広告費削減の効果 |
👉 「なぜ差が出たのか」を一言で残す習慣が、改善スピードを大きく変えます。
5. 見える化で成果が変わる!グラフ活用法
数字だけでは理解に時間がかかります。Excelのグラフ機能を活用し、直感的に示しましょう。
- 棒グラフ:予算と実績の比較
- 折れ線グラフ:月次推移のトレンド
- 円グラフ:経費構成比
👉 「一目でわかる状態」を作ることが、経営会議での説得力につながります。
数字だけでは理解に時間がかかります。Excelのグラフ機能を活用し、直感的に示しましょう。グラフと比較を使った活用の具体的な手法はこちらの記事に詳しく紹介されています。 【第3回】グラフと比較で“気づける組織”をつくる―グラフ・比較・対話が生む、KPIの“動かす力”―6. 部門別・プロジェクト別のデータ管理ポイント
部門ごとに適切な評価指標を決めましょう。
👉 営業は売上高、製造は原価率、管理部門は固定費で評価するなど、役割に応じて区分します。
プロジェクト単位では、新規事業やキャンペーンごとに予実管理を行い、ROIを把握します。
7. データ収集を効率化する仕組み
初心者が最も苦労するのは「データ集め」です。効率化の工夫を取り入れましょう。
- 会計ソフト・販売管理システムとの自動連携
- 入力ルールの統一(フォーマットのばらつきを防止)
- クラウド活用(Googleスプレッドシートで同時編集)
👉 BanSoのようなツールを使えば、データ収集から差異分析まで自動化できます。
8. 成功企業に学ぶ予実データ整理の工夫
- A社(製造業):部門ごとに「コメント必須欄」を設け、改善サイクルを加速
- B社(ITベンチャー):週次で「予実速報」をSlackに配信し、経営判断を迅速化
- C社(小売業):Excelからクラウドに移行し、ミスを80%削減。レポート作成工数も半減
9. BanSoでできるデータ整理と分析
BanSoは単なる会計管理ではなく、「予実データを意思決定に変える仕組み」を提供します。
- Excelでは難しいリアルタイム集計
- 部門別・プロジェクト別の自動可視化
- 過去データからのトレンド分析
👉 「数字はあるけれど活用できていない…」という中小企業に最適です。
10. まとめ|予実管理をデータで“使える武器”にする
予実管理は単なる数字の集計作業ではなく、経営を前進させる武器です。
- 数字を集めるだけでなく「理由」を書き残す
- グラフ化して「一目でわかる」形にする
- 部門・プロジェクト単位で管理し、改善策を見える化する

水島 健人
BanSo事業責任者
2011年新卒でウイングアーク1st株式会社(現)に入社。 Dr.Sum・MotionBoardを中心に直販/間販に従事しマネジメントを経験。 その後、新規事業開発責任社として、 2022年 CO2排出量可視化事業「EcoNiPass」を立ち上げ。 2023年 中小企業向け経営マネジメント事業「BanSo」の立ち上げをおこなう。 プライベートでは、「FCハマ」(少年向けのサッカークラブ)の代表を務めている。
“データ整理”を、意思決定の力に変える。
BanSoは、中小企業のために設計された予実管理と改善のプラットフォームです。
散在するデータを整理し、リアルタイムで可視化。
数字を「ただ並べる」から「経営を動かす武器」に変える仕組みを提供します。